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教材の使い方

音楽を使ったレッスン

Devon with kids音楽は語学を教える際に素晴らしい道具となります。特に子どもにはその効果は絶大です。良い音楽はレッスンが終わった後でも、生徒の頭の中で繰り返し流れます。子ども達が本来好きな "歌う" ことを通して単語や文法構造そして、言葉のリズムを学んでいきます。その上、音楽は授業中はもちろんのこと、家にいる時、車に乗っている時にも様々な役割を果たします。音楽はその場の雰囲気を作り、先生と生徒双方にとって、ある動作から次の動作へと変わる際の合図にもなります。そして音楽によって心の触れ合いが生まれます。

レッスンの始めはBGMとして音楽をかけましょう。

学びの場を視覚的に興味深くかつ刺激的にするよう努めつつ、音楽がクラス全体に及ぼす影響力に着目して下さい。年齢に関わらず、クラスに入ること自体、時にはとても怖く感じることがあります。外国語を学ぶことが、とりわけ子どもにとっては圧倒されてしまうような体験になり得ます。音楽はそんな不安を持った生徒達を温かく迎え、クラスをより一層魅力的にするお手伝いをしてくれます。

まず、Knock Knock HelloをBGMにかけながらレッスンを始めます。この曲は歓迎の雰囲気をもった曲であり、生徒達にはレッスンの始まりの合図にもなっています。ドアの前で生徒達を迎え入れると、大抵彼らは教室に入るなり、すわって曲に合わせながら歌ったり、ハミングしたりします。

とてもエネルギッシュな生徒達の多いクラスでは、レッスンの始めに心を落ち着かせるような曲をBGMにかけます。例えば Super Simple Songs のCDの中からはララバイのメドレー、その他クラシック音楽や私の好きなハワイアンミュージックもかけます。静かで、恥ずかしがりやの子どもの多いグループには、アップビートで陽気な曲やふざけた曲を始めにかけます。明るい調子で始められるような曲を選びましょう。

動作の変わり目を知らせる生徒達への合図として音楽を使いましょう。

子ども達は音楽に対しては他では見られない独特の反応をみせます。ある曲がかかり始め、聞き覚えがあると、生徒はすぐに反応をします。

私達のクラスでは、生徒を教室に迎えいれる時、挨拶をする時、かたずけの時間を知らせる時、ABCを練習する時、絵本を読む時など・・・それぞれの動作に合わせた曲を流します。

生徒達は歌を聞くと、すぐに何をすべきかが分かり、一緒に歌い始めます。音楽をかけない時でも、彼らは歌に出てくる単語には慣れ親しんでいるので、先生がそれらの単語を使って指示すると素早く反応し、時には自発的に歌い始めます。(例えば"Clean up" "Make a circle""Please sit down"などです。)

アクティビティの変わり目の合図として音楽を有効に活用しましょう。

Devon with kidsレッスンのプランを立てる時に、大まかに音楽のプランも同時に立てます。音楽プレーヤーはiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーを使用すると、CDを途中で変える必要がありません。50分間の授業開始前に、プレーヤー内に70分の曲目リストを作成します。(クラスの雰囲気を変えたい時などのために、50分間の曲目の他に4~5曲を余分に入れておきます。)もし、デジタルオーディオプレーヤーがない場合、Super Simple Songs のCDは、レッスン開始から終了まで使用するのに適した曲順にアレンジしてありますので、そのままご使用になっても良いでしょう。Super Simple Songsの1~3は歓迎の曲、挨拶の曲、もしくは活動的な曲などで始まり、最後はお別れの曲やララバイで終わります。CDをそのままCDプレイヤーに入れてかければ良いわけです。もしアクティビティに集中したい時はボリュームを落としてBGMとして流しておけば良いでしょう。

レッスンのプランを考えている時、穏やかな歓迎の曲、こんにちはの曲、元気で活動的な曲、クラスの皆と円を作る時の曲、ABCの曲、その日のレッスンのテーマに沿った語彙が含まれている曲、おかたづけの曲、お話の時間の曲、さようならの曲などが含まれるようにします。曲と曲の間にはSuper Simple Songs に収録されているlullaby medleysやクラッシク音楽をBGM用に入れておきます。そして、アクティビティがうまくいかなかった時のために、自分の好きな曲を何曲か用意しておきます。

Hello!がかかると、みんな一斉に歌いだします。そしてHello!が終わり、Walking WalkingやSeven Stepsのような活動の始まりを合図する曲がかかると、みんな歌いだし踊りだします。次にMake A Circleがかかると、集まって円を作ります。曲が終わり、皆で輪になってすわったら、リラックスできるクラッシック音楽を流します。私にとってはアクティビティをスタートする合図になり、生徒にとっては落ち着いて先生の言うことを聞く時の合図にもなります。アクティビティが終わったら次の曲をかけます。(Clean Upなど元気な曲をかけることが多いです)そして、これが次のアクティビティに移る合図になります。

レッスンの予定を立てる時に、合図になる曲を組み込むことで、生徒にとっては次に何が起こるか分かりやすくなりますし、先生側も次のアクティビティへの移行がスムーズになるという利点があります。

Devon with kidsクラスのエネルギーレベルを調節するために音楽を使いましょう。

あなたの受け持っている生徒(特に幼少の子ども達)がその日に、どのくらいのエネルギーレベルでレッスンに来るか事前には分かりません。ある日のレッスンでは、生徒達はみんな元気に動き回っていて(雨の日は外で遊べないので、比較的こういうケースが多いですね)、次の日には同じ生徒達が今度はスローモーションで動いているかのようにゆっくりしているとします。こういった時に音楽を使うと、騒々しい時にはクラスを静め、その反対の場合はクラスを盛り上げることもできるのです。

クラスの雰囲気を落ち着いたものにしたい場合、私はSuper Simple SongsのCDに収録されているlullaby medleysやテンポがゆっくりした曲を流します。クラスの雰囲気が騒々しく落ち着きがない場合は、 Walking Walking, Seven Steps, Count and Move, Hokey Pokey Shake, We All Fall Down, The Pinocchioなど、とてもアクティブな曲をかけて、まず彼らのエネルギーを十分に発散させてから、落ち着かせるようにしています。

新しい単語を教える際に音楽を使いましょう。

歌を歌うことは、子ども達が新しい単語を学ぶための素晴らしい方法です。たとえ彼らが歌詞の意味を完全に理解していなくても、歌うこと自体が楽しくてしかたありません。もし歌詞がとても簡単で理解できるものだったら、子ども達はその内容に合わせて踊ったり、ジェスチャーをしながら歌えるので、とても早く学べます。

私のクラスでは、歌を歌うことを学習体験のひとつとして、あらゆるテーマについて学んでいきます。もし色について学ぶ場合、I See Something BlueもしくはI See Something Pink、数の数え方を学ぶ場合は、Five Little Monkeysや Count and Moveを使います。そして、好き・嫌いを学ぶ場合は、Do You Like Broccoli Ice Cream?が良いでしょう。テーマがどんなものでも、歌を通して単語を教えることは、他の方法では見られないほど効果的です。それは、歌ったり、踊ったりしながらも、実は様々な形で言葉に触れているからです。音楽を通して、ヒアリング力の向上を図ると同時に、単語を発声し、ジャスチャーを混じえながら言葉の意味を伝えることができます。こうして単語を学ぶことは子ども達にとっては決して恐ろしい経験ではなく、むしろ楽しい経験になるのです。

ジャスチャーを通して学べるような曲を使えば、事前に教えることは少なくて済みます。まず生徒を円になって座らせます。そして簡単なジェスチャーを教えて、最後には曲に合わせてジャスチャーをします。するとほとんどの子ども達は曲に合わせてすぐに歌い始めます。すぐに歌い始めない子どもでもジャスチャーを練習し始めます。

復習する際に音楽を使いましょう。

歌を歌うのは、以前レッスンで教えたことを短時間で簡単に復習できる素晴らしい方法です。音楽を通した学習で素晴らしいのは、歌って学ぶと、その曲をいつまでも覚えているということです。

例えば、20年間ほど聞いていなかった曲でも、音楽を聞くと歌詞が自然と出てきますよね。復習のために、過去のレッスンで学んだ曲は、必ずどのレッスンにも盛り込んでいきます。以前習った好きな曲を再び歌うことは子ども達にとっては楽しい体験で、先生にとっては彼らが習得した単語の数々を改めて確認できるうれしい機会でもあります。時々歌うだけのレッスン, 踊るだけのレッスンの日があり、その時はお気に入りの曲を全て歌います。

音楽は学習する上でとても効果的な道具です。もし、今までレッスンであまり音楽を使っていない方は、是非使ってみてください。すぐにその影響力を目の当たりにできます。既に音楽を使ってレッスンをしてきた方は、どのようにしたらレッスンの雰囲気がより温かくなり、より学びやすい環境がつくれるかを今一度考えて見てみて下さい。